『三体』読了。
 
梶尾真治の『さすらいエマノン』に「いくたびザナハラード」というお話があって、人類だけを滅ぼす装置が出てくるのですが、最初に読んだ時は自分なら迷いなく装置を使うな、と思い、結末を噛みしめていました。それから何かの折に思い出しては、使うか、使わないか、どうするかを、考えていたりします。
その中で、『三体』ではあんな問いかけと答えが提示されて、なんだか呆気にとられてしまいました。そこまでスケールが大きくなる必要があるのか、と。
 
この話が面白いのはわかるけれど、好みかと言われるとそうではない、ので、やっぱり私はSF読みではないんだよなー。続きは気になるのでがんばって読みます! がんばって、というのは、謎以外に先を知りたい気持ちを燃やすガソリンがないからです。うう。でも結末が知りたいんだよ!

『三体II 黒闇森林』読了。
上下に渡るだけあるスケールでしたが、前回がファーストコンタクトものだとしたら、今回は本当に人類の対抗策が並べられていて、それがそのままタイトルに繋がっている。印象的な風景が出てきて、そのどれもに寂寞の感情が纏わりついていて、そこが好きでした。
葉文潔がなぜ羅輯にその理論を話したのか、答えが聞きたかった……。三体人としては、最初に三体に向って叫んだ葉文潔が一番理解できない存在だったということかなあ。

最後の羅輯と三体とのやりとりは、なんとなくダグデグ@キングオージャーを思い出しました。

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『三体Ⅲ 死神永生』読了。
なるほどスペオペ、とは思ったものの……すごい終わり方だった。

三体世界は羅輯のことを唯一「敵」と認定していたのではないかなと思ってしまった。葉文潔のことは太陽系世界を滅ぼす対象として観察するための駒みたいな感じ。

羅輯の後継となった程心の後悔が苦しくて、でもそれは三体世界が太陽系世界から知った「愛」を体現した存在だからが故で、一人に負わせてよい責ではないとは思うものの、ああなってしまうと背負わざるを得ないよな、と噛みしめてしまう。

今このときにちょうどこの話を読み終わり、やはり人類は滅びて良いのでは、という気持ちを持ってしまう自分を、どう扱うか、と考えざるをえないです。

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