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なんかスゴイのを見た。
”私の差別はいい差別”の典型のような。

”そういう中にあって近年では、「人種は社会的な概念であって、生物学的には実体がない」という意見が分子人類学の 研究者などのあいだで強くなっている。その根拠は、遺伝子のレヴェルでは集団内での個体差にくらべて地理的集団間の 差がひじょうに小さく、遺伝子頻度のデータでも人種は厳密に定義することも客観的に分類することもできない、ということである。 この意見に、不当な人種差別に対する抗議と、伝統的人類学に対する傾聴すべき批判がこめられていることは確かである。 しかし人種とはもともと遺伝子頻度ではまだ表わすことのできない多因子性の適応形質や外見上の形態にかかわる現象で あること、また厳密な定義や分類のむつかしい生物学上の概念は人種以外にも少なくないことを考えると、人種をたんなる 虚構だと切り捨てることには同意をためらわざるをえない”

”しかし自然史的な人種の概念までも実体がないとするのは行きすぎのように 思われる。ここで人類学がはたすべき役割は、人種を度外視することではなく、むしろ「人種とはなにか」についていっそう洞察を ふかめ、その知見の周知につとめることなのではなかろうか。

山口 敏 (国立科学博物館名誉研究員、日本人類学会”

hub.zinbun.kyoto-u.ac.jp/zinbu

”Q6 それでは、もともと欧米で誕生した人種分類の考え方が、世界に広 まったのはなぜでしょうか?

A6 グローバルレベルで影響を与えた背景には、植民地主義やナショナリズム の問題が大きく関わっていると思います。たとえばインドや東南アジアといったアジア地域で国勢調査が始まったのは1880年代ですが、それまで現地で使用 されていた言語や宗教や自分たちの分類方法に代わって、raceという言葉で国勢調査の分類が塗り替えられ始めるのです。それと同時に白人やヨーロッパ人 というカテゴリーが項目のトップにとって代わるという現象も見受けられ始めます。でも問題はそれだけではなく、現地の人々の間にもランキングが生じたとい うことです”

正しい分析だとは思うのだけれど、日本の研究者であれば自分とこの植民地主義が他国を支配する際にこのレイシズムを利用しなかったのかとかそういう視点があって然るべきだと思うのだけれど。
なんつーか、ここにも普通に普通の日本人を見出してしまった残念感。

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