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 今回のイスラエルのガザ侵攻で白日の下に晒されたのは、エジプトのシシ政権の脆弱性、とも言える。

 元来、エジプトは四度に渡る中東戦争にて「アラブの大義」を掲げてイスラエルと正面衝突し、大きな犠牲を払いました。

 しかし、そのことによって、エジプトは「アラブの盟主」としての威信を確立し、国民の間でもそのことがが、一種の「ナショナル・アイデンティティ」となっていた。

 ところが、第四次中東戦争後、サダトはついに米国のキッシンジャー外交に屈服。
 同時に1980年代からエジプトにも新自由主義の波が襲い掛かります。

 この状況に対して、「アラブの大義」よりもむしろ、「イスラム」アイデンティティを掲げるムスリム同胞団が急速に勢力を拡大。サダトはムスリム同胞団メンバーによって暗殺されます。

 この後の混乱を押さえて政権を奪取したのが第四次中東戦争のエジプト空軍の「英雄」ムバラク。

 しかしムバラクは新自由主義による「社会の解体」に無策のまま2011年の「アラブの春」で打倒され、その後の選挙で選ばれたムスリム同胞団政権を再び軍事クーデターで倒したのがシシ政権。
 
 シシは「アラブの大義」を叫ぶが、これを最も恐れているのは御本人だろう。パレスティナ支持のデモを熱心に弾圧しているのはその証拠である。

 

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