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「気がつけば資産家に?」

 日経1面の「資産運用立国に挑む」シリーズ、今日は「気がつけば資産家に」がリード文(疑問符なし)。

 米英豪での「確定拠出型年金」(401K)の広告記事である。
 ちなみに、401Kは運用の結果次第で減少する、場合によっては蒸発することもある訳だから、この「確定拠出型」の語法、「汚染水」を「ALPS処理水」と翻訳する典型的な日本的「ユーフェミズム」である。

 冒頭いきなり「いつの間にか資金が増える仕組みにしてある」と運用当事者の発言。

 米国では元本保証型を原則認めないと紹介、日本は「遅れている」と示唆。英・豪は米よりさらにラディカルと「推しに推す」。

 そこから何故か今年赤字を出した「大学ファンド」担当理事にお話しを伺う。

 喜田理事「年4.49%の運用目標は高すぎない。ポートフォリオの完成性のポテンシャルはまだ完成されていない」と無意味な言葉を並べた後、この運用ファンドには「大学の研究開発を支援するという使命に共感した人材が集まっている」と啖呵を切る。

 いよいよ金融緩和縮小とともに株価買い支えに向けて、企業年金、大学ファンドを動員しようとするシフトの可能性が高まっているようだ。

 しかし「気がつけば資産家」になれるのなら、誰も人生こんなに苦労しないだろう。

 「婉曲語法と撞着語法」

 401kを「確定拠出型年金」と表現する語法、「ユーフォニズム」と書きましたが、よく考えればこれは401kに関しては「不正確」です。

 401Kは元本保証なし、つまり目減りあり、最悪の場合ゼロになるわけですから、「婉曲語法」ではなく「撞着語法」です。

 「撞着語法」、詩などでは「黒い太陽」(ネルヴァル)など、重要なレトリックではあります。

 しかし、散文、とくに年金制度や原発問題の場合、やはり「猫は猫と呼ぶ」ことが必要。

 であるから、原発汚染水は「ALPS(アルプス)処理水」ではなく「原発汚染水」と呼ぶべきです。

 日本語政治空間では悪い意味で、婉曲語法、撞着語法が多用されますので、このあたり意識的になる必要があると思われます。

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