貰った本を読んでるけど、ちょっと色々と引っかかってしまって、どう感想を伝えれば良いのか悩ましい。

言いたいことは分かるし、方向性としては同意するのだけど、そこへ向かう論拠が薄弱というか真偽が怪しいものが多く、納得感があまりない。

里山とか日本"古来"の自然観に対する過剰な賛美も、現代社会批判としての一つの切り口としては理解できるけど、歴史的に考えると幻想なのではと思ったり。

氷河期に日本海は対馬海峡だけ開いていて暖流が流れ込むから暖かく、おかげで日本列島に大きな氷河が発達しなかったみたいな記載があるんだけど、僕の感覚とは異なるんだよなぁ。

どちらかというと、日本海って氷河期以来ずっと寒いイメージだし、色々と議論があって正確なことは分からないけど、津軽海峡も対馬海峡のどちらも閉じて、閉鎖的になっていて、流れ込む河川からの淡水によって表層の塩分濃度は低下し、垂直方向の混合が起こらなくなったため、深いところは低酸素状態になって生物は生息できなかったけど、その後、津軽海峡から海水が流れ込んで、表層の塩分濃度が回復して、生物が棲める環境ができたって感じだったと思うんだけどなぁ。

日本の里山の生物多様性は、日本人が古来から多様性を維持するように適度に手を入れてきた結果みたいな書き方がされてるけど、皆伐してハゲ山にしてたことも多いから日本人の自然観に求めるのは厳しくないかな。

どちらかと言えば、ハゲ山にしてしまっても、放置して、ある程度時間が経てば多様性を持つ生態系が回復するように、気候・地形などが恵まれていたって事では無いのかな?

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何にせよ、日本の文化・伝統と言った場合に、その起源が縄文なのか、江戸なのか、明治なのか、みたいな辺りを有耶無耶に書かれると、本当かなぁと疑って読まざるを得ないよねぇ。

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