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映画「スパルタクス」(S.キューブリック)について

「スパルタクス」の原作ファスト(「サッコ・ヴァンゼッティ事件」に関する作品あり)、脚本トランボが「赤狩り」の対象となったことは以前投稿しました。

映画のスタイルとしては、この時期のハリウッド古代史スペクタルで、前衛志向だった若き日のキューブリックは「不満」だったとも言われています。

ただ、当時の米国(あるいは今でも)、「スパルタクス」は非常にデリケートなテーマ。

日本では世界史の授業で「剣闘士反乱」の代表として教えますので、名前をご存じの方も多いと思います。

しかし、米国は元来「ローマ寡頭制共和国=帝国」をモデルにして創設された国家です。

従って「奴隷制」もまた自明の前提とされていた。「人は生まれながらに平等である」の「独立宣言」の「人」には「奴隷」は含まれないことは「建国の父」たちにとって不可欠なことでもあった(T.ペインは除く。ペインはこの結果に失望、大西洋を渡りフランス革命に参加)。また独立宣言の重視は後世になってから。

ですから、米国の保守派にとっては「スパルタクス」は米国の「法と秩序」への挑戦を意味します。

実際、この映画の上映の際、保守派は「米国の伝統と正義に対する反乱」(一体どんな「正義」!)とキャンペーンを張ります。

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