プロレスについて考えていて、だんだんテレビに結実する視覚メディア勃興以前の娯楽・芸能の受容史へと関心が広がってきている。各地を周遊する見世物小屋からスクリーン、ブラウン管への移行のインパクトについて考えたいのだけれど、いまだいい本に辿り着く検索ワードがわからない。
19世紀の大陸におけるfolk wrestling のあり方から、1920年代の欧州諸国で盛り上がる興業志向によるキッチュ化への変遷。力道山の試合をラジオで聴取するという体験の当時における感覚が、テレビという空間に促されるキャラクターやストーリーの強調によってどう変容していったか。