評価されていたり時流に乗っているいい作品が、僕が楽しめたり面白がったり作品とは限らない。すこしさびしいがそういうものではある。
酷評されていたりそもそも誰からも見向きされていないような作品が、なにより心を打つこともある。
どちらもわかりきったことのはずなのだが、自分の感覚を周囲の評価と関係なしに維持するのはけっこう難しくて、たやすく揺らぐ。
作品というのは作るにせよ受け取るにせよ、社会だとか他人のようなものよりも、もっと別のものに信を置くということであり、それはべつに自分の好みを貫き通すとかでもなく、そうとしかできない、何に対して自分をひらいてくのかという態度表明だ。