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これはスコットとハビの昔話なんですけど 

ある日出資予定者のひとりと話合いのために町外れの萎びたダイナーで待ち合わせしてたら先方から電話があって、急用でしばらく時間がかかりそうだから適当に休んでいてくれと告げられちゃってね、手持ち無沙汰になったところでふと店の奥にちょこんと置いてあるクレーンゲーム機がハビの目に入る。店主の趣味かな?ってフラフラ近づくとスコットも後ろを付いてくる。子どもの身長に合わせて作られたのであろう箱は大人の二人には少し小さいの。ポケットに手を突っ込んでみたらちょうど小銭が何枚か出てくる。「兄貴が友達とシューティングゲームに夢中になっている間、8歳の俺はこれで小遣いを浪費してた」懐かしさを覚えながらレバーでアームの位置を調整して商品を持ち上げるけど、落とし口にたどり着く前にポロッとこぼれ落ちてしまう。まぁ一筋縄ではいかないよなとわずかに悔しさを滲ませていたら今度はスコットがおもむろに小銭を投入してレバーを動かし始める。てっきり勤務中だぞと小言のひとつも飛んでくるかと身構えてたから拍子抜けして、しかもあっさりとゲットしてみせたもんだからさらにびっくりする。器用に片眉を上げ「コツがある」と胸に押し付けられた商品はボールチェーンがついた絶妙にかわいくないクマのマスコット。

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