ジョージ・エリオット『ミドルマーチ』読み終わった。Kindleで寝る前に読んでいたが、昨日今日とワクチン副反応により動かずにいて、そのかんずっと読んでいたのだ。語り手がこんなに人間に深く入り込んで語り、しかも物語世界がパノラマのように広がる小説ってあるだろうか。
三人称の語りで、語り手が時にみずから顔を出しつつ、登場人物ひとりひとりにそのつど寄り添い、会話の表面と人物の内面のずれと相互理解のずれを丹念に語っていく。そしてカソーボンはおれだ。いや、リドゲイトもおれだしラディスローもおれだ。良い小説はこれだから読むのがつらい。
光文社古典新訳文庫の廣野由美子訳で。廣野由美子は京大独文出身で学部卒業後に英文学に変わったとのこと。
ジョージ・エリオット読んだらやはり『アンナ・カレーニナ』読まなくては(トルストイ若い頃敬遠していて、これもじつはぜんぶ読み通せていない)。