線路に西瓜の立ち並ぶ事
藤井佯
線路に西瓜の立ち並ぶ事、
泥濘となって引き摺られている
電車は倒木のようにからっとしている
種が弾ける
向日葵の番の眠る間に渡る
新課程の体操で換装する
白目がちな犬だ! 自動で生えてくる
赤い果肉がたちどころに割れる
犬たちは玉蜀黍畑で輪転した
そうか、夾竹桃の旋律で
山がちな交信を妨害する
ふと線路に傘が差された
線路に西瓜の立ち並ぶ事、
順調に乗車、120%
安心してロングシートに沈んでいる
吊り革に蔦を絡ませるのも、
悪くはないだろう
白目がちな犬が
線路を真っ直ぐ
走り始めた
#詩