東京や大阪などの都市圏と比べて語られることの少ない東北地方でのLGBTQ+に関する活動に焦点を当てた一冊。
当事者として顔を出すこと対して、「地方」というより「地元」ということに抵抗がある、家族に迷惑がかかるのを恐れているという声が多い点に関しては正直東北も首都圏や京阪神も変わらないんじゃないかと思った。
震災での当事者の困りごとでマスコミが期待しているようなトイレ問題や同性カップルの受け入れ拒否云々の前にそもそも当事者だと言えないという問題があるという指摘は重要だし、もしかしたら都市圏でも起こりうるのではないかと感じた。
個人的に東北では(シス)ゲイ中心の活動が少ないという点は意外だった。理由として(シス)男性は比較的経済面などから東京へアクセスしやすく地元で活動する必要がないことが挙げられ、男尊女卑を感じずにはいられなかった。
実際の活動では、地域の住民との共通性をアピールして軋轢が生じないように溶け込もうとしている団体もあれば、反対に積極的にアピールして政治的な主張も行う団体もあり、それぞれのやり方があると思った。(無論、どちらが正しいという話ではない)