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少し前にNTL『善き人』を観た。
たくさんのひとに観てもらいたい、素晴らしい舞台だったけれど、ほんとうにしんどかった…。
教養があり、家庭にも尽くし、ユダヤ人の友人がいて、差別には反対する人道主義者でありながら、世間の情勢に抗えずナチに入党する主人公はまさに自分も含めた「ふつうの日本人」で、そういう「善き人」がどんな言い訳をして、どれほど酷いことをするかを突きつけられる。
私は観ながらずっとガザのことを思い出していた。

シンプルなセットだが、音の使い方はかなり迫力があり、とくに二幕の「砕けたガラスの夜」の場面は怖かった。
焚書の演出もすごく怖かったな…あの炎は本物だったのかな?燃やしていた本はきっと中身が白紙の小道具だよね、と思わず自分に言い聞かせてしまう怖さだった。

長身で腰が高く、ものすごくスタイルが良いデヴィッド・テナントがSSの制服を身につけるシーンがショッキングで、不思議なくらい格好よく見えなかった。やはり劇中でSSの制服が格好よく見えるときって「格好よく見せたい」という意図があるんだろうなあ。
舞台上にはほぼずっと3人の俳優だけで、テナント以外の2人は複数の役を演じ分けるんだけど、びっくりするほどみんな演技がうまかったです。
ntlive.jp/good

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