フォロー

『さらば、わが愛/覇王別姫』を観てきた。劇場公開時からずっと観る機会がなく、このたびの4K版上映が初見だった。1920年代から第二次大戦を挟んで、ふたりの京劇役者の人生、出会いから別れまでの50年ぐらいの物語。
幼い小豆が多指症の指を母親に切り落とされる冒頭から激しい場面が続き、しかし話は淡々と進むので私も淡々と観ていたんだけど、文化大革命の場面は凄すぎて動揺した。お互いにあんな言葉をぶつけあって、それでも蝶衣も小樓も生き延びて、また対峙する。凄い。

京劇俳優の養成所では子どもたちに虐待にひとしい折檻をしていて、すっかり人気スターになって養成所を訪れた蝶衣と小樓も、老いたかつての師匠に容赦なく打たれ、抵抗せずに受け入れる。
そこで育った蝶衣が弟子として引き取った小四を同じように打ち、「稽古をしなければ二流にしかなれない」と怒鳴っていたのは当然といえば当然なのかもしれない。それは時代の流れの中で「指導」ではなく「暴力」として否定されていくんだけども。

蝶衣はびっくりするほど美しかった。

男二人の濃密な絆に翻弄されていた菊仙も忘れがたい。蝶衣を憎みながらも姉のように世話を焼き、寄り添っていたのに、最後あんなことになってしまったのはつらすぎると思う。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。