ここ数年で身にしみてわかったことは、歌がうまい人の歌声は汲めども汲めども涸れぬ水みたいな、尽きることがないと感じさせてくれる豊かさで、この人はいくらでも歌えるんだ、と本気で思ってしまうけれど、そんなことはないということ。人間である以上、過剰な負荷をかければ持ちこたえられなくなる。
歌っている当の本人が、自らの強い希望で「どうなってもいいから、今、全力を出しきりたい」と自分の喉を酷使することは、観客には止められないのかもしれないけど…でも、観ている側はやはりつらい。「今」を乗り切れたとしても、持ちこたえられなくなる瞬間が数年後、数十年後に来る可能性だってある。
最近、長く聴いてきたバンドのライヴから足が遠のいている理由のひとつは「歌を聴くのがしんどくなった」なんだよな…
おまえもファンなら健やかなる時も病める時も
見守り抜けよ!!という感じですが…うう…ダメなファンですみません…
歌がうまい人はその恵まれた喉をどうか大切にしてほしいと、無責任な一観客としてはどうしても願ってしまう。
そしてもし、無理をさせるような外的要因があるのなら、即刻取り除かれてほしい。