一泊二日で宝塚〜奈良へ行ってきた。新型コロナが流行しはじめてからも、新幹線に乗ったりホテルに泊まったり新幹線に乗ってホテルに泊まったりしていなかったわけではないのだが、久しぶりにしっかり「旅行した」という感じがある。感染症の波がかなり落ち着いていて、道中もあまり緊張せずにすんだからかもしれない。海外からの観光客の姿もあった。
初めて訪れた興福寺がとてもよかった。美形と名高い阿修羅像は特別展で観た覚えがあるが、大混雑で立ち止まることも許されずにちらっと観たのとはまったく違う体験だった。憤怒というよりは苦悩を内に秘めているような阿修羅像だけでなく、八部衆はみな魅力的だった。胸部だけの五部浄像も美しい顔をしていた。
出土した八世紀のものだという水晶の珠が澄んでいたこと、千手観音がものすごい迫力だったことも忘れがたい。
興福寺や東大寺の南大門のあたりには人が多かったが、二月堂、三月堂、正倉院の周辺は人が少なく、鹿がのんびり闊歩しているなかを歩けたこともよかった。天気がよく、あたたかくて、ほんとうにのどかな春の一日だった。