マイナンバーは人に知られて良いのかどうかの件、聞かれた時にどう答えたもんかなと思っていたが「他人に知られても良いが、他人のを知ろうとしてはいけない」というのが分かりやすい説明かもしれない。

なんでそんなことになるのか、まで話すとやや混み合って来る。

「他人に知られても良い」方の理由はまだ簡単。マイナンバーを知っても何もできないから、ということ。

A. 機関外部犯の場合 → 物理カード(+ PIN)が無いと何もできない
B. 機関内部犯の場合 → 各機関で別の番号(機関別符号)を使っている(セクトラルモデル)ので、自機関以外の情報と紐付けられない

「他人のを知ろうとしてはいけない」理由を理解するにはセクトラルモデルの意義を理解しなければならない。

セクトラルモデル自体の説明はたくさんある(例: note.com/mickmack/n/n903705b82 )ので割愛するが、要はユーザーの扱う「共通ID」を直接機関が扱わないようにすることで、機関が知りうる範囲を限定することがキモだ。フラットモデルの反省を元に、機関の力を弱めたモデルとも言える。

ところが、「全国民に配布された共通ID」という代物自体の強力性はフラットモデルと変わらないことに注意しなくてはいけない。たとえ公的な機関がセクトラルモデルを採用しても、第三者機関が多数のIDを収集(名寄せ)すれば、そこにフラットモデルが構築されることになる。セクトラルモデルは、他者によるフラットモデルの抑制することができない。

したがって、「他人のマイナンバーを収集する行為」が禁止されることになる。

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その結果、あらゆる組織は法的リスクを恐れて「俺にお前のマイナンバーを教えるな!」と言わざるを得ない。ので、結局のところユーザーとしては教えて良いんだか悪いんだかどっちなんだ、よくわからん、という事態になる。この自分の番号を相手に知られるときにリスクを負うのが相手である、ということの非直感性が分かりづらさの原因であろう。

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