差別行為のなかに「他者をバカにする」というような要素が含まれている以上、反差別の実践や論戦の場においてそのような要素を含む振る舞いをすることには違和感を抱くべきであるし、少なくともそうすることによってなんらかの快楽をおのれが覚えているのであれば、それは明白に危険信号である。
目的はあくまでも「差別を受ける者がいなくなること(やそれに準ずること)」なのであって、差別行為をしている者や解釈違いの論戦相手のことを愚弄したりすることではない。後者はつまるところ「相手を傷つけたい」という欲求のあらわれであって、それは意図的な差別行為と同類のものになってしまう。
それこそ、真面目に「あなたの意見や論理には不足や矛盾があるのではないか」というような指摘をしている相手に対して、論旨=本題とは別のことで揚げ足をとりながら揶揄うような真似をすることは、まさにヘイターや中立気取りの冷笑者がやっていることと同じなのではないか。
残念ながらTwitterを筆頭としたSNSではそれがウケてしまうし、そのような嘲笑・愚弄混じりの(自称)カウンターなどがRTやらいいねやらを獲得してしまうから、やってる本人は気持ちがよくなって本題や主目的=差別を受ける者がいなくなるようにすることを忘れてしまう。
意図的な差別・ヘイト行為をおこなっている者を「晒す」ようにしてなされるカウンター行為は、特にその快感に飲まれやすいように思える。「こいつ、こんなバカなこと言ってるぜ」というようなもの。しかしそれはウケてしまう。そしてそれが習性になる。そのうち、意図的ではない知識不足から生じてしまう「結果としての」差別・ヘイト行為にまで、そのような態度でのぞむようになる。さらには反差別・ヘイトを真摯に追求するがゆえの身内どうしでの批判にすら、同様のことをするようになる。
Twitter作法に毒されている者のおこなうカウンター行為は、もはや本質から逸れているどころか真逆の効果を生むものになっている気がする。意図的な差別・ヘイトをおこなっている者と同じ土俵で、同じ流派で、同じ精神状態でたたかっている。たたかっているつもりになっている。
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残念ながらTwitterを筆頭としたSNSではそれがウケてしまうし、そのような嘲笑・愚弄混じりの(自称)カウンターなどがRTやらいいねやらを獲得してしまうから、やってる本人は気持ちがよくなって本題や主目的=差別を受ける者がいなくなるようにすることを忘れてしまう。