・・・地球に異変が起こり、生命の絶滅の危機が訪れるたびに、命をつないだのは、繁栄していた生命ではなく僻地に追いやられていた生命だった・・・生物の歴史を振り返れば、生き延びてきたのは、弱き者たちであった。そして、常に新しい時代を作ってきたのは、時代の敗者であった。・・・敗者たちが逆境を乗り越え、雌伏の時を耐え抜いて、大逆転劇を演じ続けてきた・・・逃げ回りながら、追いやられながら、私たちの祖先は生き延びた。そして、どんなに細くとも命をつないできた。私たちはそんなたくましい敗者たちの子孫なのである。(同pp.209-211)