「たとえば、生産様式にはないような何か。今、私が「交換様式」と呼ぶのはそういうもの・・・私は、その問題を、経済学において追求することはしなかった。もちろん、『資本論』における・・・「価値形態」という問題に着目していましたが、・・・経済学的ではなく、言語学的な問題でした。つまり、交換を言語学的な次元で考えようとしたといえます。」(柄谷行人「『力と交換様式』をめぐって」『文學界』2022年10月号)
目の前にある物を直接交換するのではなく、言葉を交換しておいて、後で時間差を置いて清算すること、つまり、人類の言語使用の起源的事態について考えようとしたということ。つまり3000年前に始まった「言語、貨幣、時計」の成立ということについてだ。
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