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初期マルクスの『経哲草稿』には美しい言葉がちりばめられている。あまりにも美しすぎてマルクスを誤解してしまう言葉でもある。

「問題は、・・ほかでもない「交換」ということばにあります。『草稿』に代表される立場が、やがてマルクス本人によって否定される必要があったのは、この交換という発想自体に、乗り越えられるべき限界があったからではないでしょうか。」(熊野純彦『マルクス 資本論の哲学』岩波新書2018年,p.249)

マルクスにとっての躓きの石は等価交換という考え方それ自体にあった。各人が能力に応じて働き、働きに応じて受け取るならば、いわば愛をただ愛とだけ等価交換する社会は存続しうるだろうか。少なくとも子供は愛を受ける当然の権利者ではなく、障害者もまた特別な慈悲にすがるしかないかのようだ。

ではいったい何が等価交換の代わりに愛の原理になるのだろう。

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