どんどん酸素が薄くなっていく心地がする。
あまりにも多くの呪わしい「あるある」が「淡々と」描かれ、殊更露悪的でセンセーショナルに扱わない分、「最悪」の生々しさが爆上がりしてゆく。
加害的で有害なホモソーシャルが描かれるが、これは男性として生きている人間だけの話ではない。女にもある。
クソ男どもはサイテーで、女は理性的で共助があるということではない。わざわざ言うまでもないことだけれど。
モラルセンターとしてグラタンさんががんばっている……。
じわじわと毒が回り、自分の目が泳いでいることがわかる。ご本できちんと読みたい気持ちになるが、物理で自宅にこの作品があることに、私は耐えられるだろうか。
「藤本タツキがジャンプラとかで書いていたらブチ切れる」はすごいわかる。
時事性や実際の事件と密接な作品ほど、正直なところ企業媒体ではなく個人に近いところでやってほしいという気持ちが私にはある。
『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』とかもそんな感じ……。