どんどん酸素が薄くなっていく心地がする。
あまりにも多くの呪わしい「あるある」が「淡々と」描かれ、殊更露悪的でセンセーショナルに扱わない分、「最悪」の生々しさが爆上がりしてゆく。
加害的で有害なホモソーシャルが描かれるが、これは男性として生きている人間だけの話ではない。女にもある。
クソ男どもはサイテーで、女は理性的で共助があるということではない。わざわざ言うまでもないことだけれど。
モラルセンターとしてグラタンさんががんばっている……。
じわじわと毒が回り、自分の目が泳いでいることがわかる。ご本できちんと読みたい気持ちになるが、物理で自宅にこの作品があることに、私は耐えられるだろうか。