ピーター・バラカンみたいに個人的な好き嫌いで言ってくれたら良いのよ。俺はヘビメタは嫌いだって。好き嫌いの話なんだから仕方ない。それを音楽的評価と結びつけて話したり、誰かを持ち上げるための材料扱いするから嫌になるのさ。
80年代後半にに始まったマサ伊藤のピュアロックというハード・ロック紹介番組と共にピーター・バラカンの音楽紹介番組も大好きで、チック・コリアもメセニーも、ライ・クーダーやらトム・ウェイツみたいなチャートにはなかなか入ってこない欧米のミュージシャンだけでなく、アフリカのミュージシャン辺りまで幅広く知ることできたのはバラカンのおかげでもある。公の墓で誰か持ち上げるために誰か落とすこと、しなかったからね、バラカンは。
今にしておもうとバブル期というのが音楽好きにとって良かったんだね。様々な場面で音楽との接触面が多かっ。皮肉なもんで、インターネット当たり前の多メディア時代の今よりも、あの頃のほうがメジャーなシーンでは接触面がバラエティに富んでた。「案内人」が今より豊富だったんだね、きっと。マイルス・デイヴィスのライブが普通に地上波メディアに流れていた時代だもの。今の時代、変な権威付けの復活は御免被りたいが、接触面の多様性は引き継ぎたいなとは思うねえ
バラカンのポッパーズMTVで一番印象に残ってるのは「バンドとしては好きではないんだけど、映像が素晴らしいから観てほしい」とスミスの「Queen is Dead」を取り上げてたこと。あのPV、監督デレク・ジャーマンなのよね。今にして思うと、ジャーマンのことを初めて知ったのもバラカン経由だったなあと。あの人、Queenからドクター・ジョンにジョン・クーガー・メレンキャンプまで本当に幅広く紹介してくれたからね。感謝してますよ、今でも。