土光臨調から今に至るまで「既得権益打破」のおまじないは、ほぼ常に既得権益者たちの口から発せられる。そして権益の置き換えが改革と称される光景は、90年代に見飽きるほど見た光景でもある。
これは別に今に始まった話でもないし突如小泉が始めた話でもない。聖域なき構想改革やら派遣法改正は橋本政権下で始まったわけだし、教育基本法改正も小渕政権時に始まった(教育改革国民会議は小渕政権時に出来た)。行財政改革も鈴木善幸政権下(中曽根政権ではなく)で始まった土光臨調がスタートだ。すべては地続きであってそこに大きな断絶があったわけでもない。起きた事象を突然変異や異物として、誰か一人を悪者にしてぞんざいに扱っていると、あっという間に自分も蝕まれる。
石原の東京、地方都市の阿久根、武雄、そして名古屋、大阪、東京。今回兵庫で起きたことはすべて地続きだし、海の向こうでも起きている。つまりどこにでも起きる。じゃあどうしたら良いのか。まずは自分の住んでいる街の市区町村議会から、自治会に至るまで、手に届く範囲の政治に関心持って見続けて、参加することからしか始まない様な気がしている。