BSNHKの朝に再放送枠で放送している「カーネーション」。今週の放送では白木屋デパート火災事件の話を取り上げていた。
当時の新聞やラジオは、救命ロープで降下しようとした和装の女性店員たちが、下にいる救助者や野次馬たちの視線を気にして片手で裾を押さえたため転落死したと報じ女性店員の洋装化キャンペーンを張っていたのだが、それを見た糸子が心斎橋のデパートへ出かけ、自分に店員の制服を作らせてほしいと支配人に直談判するエピソードを流していた。
ここから拾えるものはたくさんあるけれども、一つ留保が必要なのはこの女性店員の転落死の原因についてである。前に読んだ井上章一の『羞恥心の現代史』のなかでこの「白木屋伝説」は実はメディアの想像で作った話で実際はそんな理由で転落死が出たわけではないことを丹念な取材により明らかにしていた。
世間一般的にはこの事件を機にして世の女性の洋装化が進み、女性がズロースを穿くようになったと言われているるしいが、井上によるとその件もあまり信憑性はなく後付けの話であるとしていた。
ドラマで糸子か直談判する話も本当だしその理由も間違いではなく、新聞が報じていたことも間違いではないわけで、ドラマとしてそこには一片の瑕疵もないんだけどもね。そして再放送で見るカーネーションは相変わらず面白い
この本、20年以上前に読んだんだけども、事実関係や資料、史料の分析、解析などに関しては全く不満はなかったが、当時から、行間から漂うそこはかとないミソジニー風味が、少し(いや、かなり)鼻につく感じだったんだけど、今だと、そこがもっと強く感じるんじゃないかなという気もするので、あえて今一度読み直す気にはなれないw
QT: https://fedibird.com/@gaitifuji/113331302193726585 [参照]
@gaitifuji 井上章一は美人論の頃からそうですけど、研究対象に対して「自分は執着している」「愛している」と表現するあまり、それを露悪的にアピールする傾向がありますね。