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この件を見ていて思いだすのは、ジャーナリストの広河隆一の性加害が明らかになった時、今まで広河がやってきた仕事の成果を挙げて、彼の行為を矮小化、または霧消化させようとする一定数の左派がいたことだ。彼のした行為により苦しめられた被害者の感情よりも優先される「社会正義」かあるとでも言いたげな態度を、いわゆる左派を自称するものたちが行う。そんな社会正義などあるわけがないのに。この手の問題が起きることに思想の違いは関係ない。階級、学歴、もちろん関係ない。
この団体で何が起きたのか。我々には殆ど知らされていない。団体からは何一つ公式なステイトメントは出てこず、おおよその事件の概略が何一つ示されない。意見表明している各団体のステイトメントに目を通したが、簡単な状況説明すら出てこない。そして強調されているのは、属性をこの行為に結びつけるな、それは差別だという強い文言だ。ハラスメント、性加害を論じる際に、その人の持つ属性、社会状況、ステータスは極めて重要な情報のはずだ。me too運動を通じて得たはずの社会的コンセンサスは、どこに消えたのだ？この局面において、彼らの中では一体何が優先されているのか？
