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Y染色体があるにもかかわらず、どうして女性の特徴を示すことになったのだろう?この8人のケースのうち7人はアンドロゲン非感受性症候群(AIS)であり、男性ホルモンであるテストステロンに反応しない症例である。その中の1人はテストステロンを活性化する酵素に欠損が認められた。胎生時の発達段階でテストステロンに反応しないため外性器は女性化の様相を示しているのである。それ故、男性と同じようなテストステロン濃度レベルであっても、このテストステロンはパフォーマンス強化作用を示さないと思われるため、競技参加が認められた。しかし、一般にはこのような症例の発現率は0.002%であるが、オリンピックでの女性アスリートでは0.2%に上っている。発現率が100倍も高いことを見れば、この症候群がパフォーマンス強化に何らかの役割を果たしている可能性を物語っているのではないだろうか?

-『走る、泳ぐ、ダマす⠀ アスリートがハマるドーピングの知られざる科学』 (金芳堂) | クリス・クーパー著

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