ビューヒナー『ダントンの死』における性の不確かさ/フルイディティについて考えていて、
「墓みたいに愛してるよ」はフランス語で"Je t'aime comme la tombe"か"〜comme le tombeau"の2通りに訳せるので、男性名詞と女性名詞の違いからダントンとジュリーのジェンダー/セクシュアリティの揺らぎのニュアンスが出せるのではないかと思っていたが、原文ドイツ語のgrabは中性名詞だった
でもジュリーが死ぬ時大地を名詞の性である女性に例えるのはドイツ語も同じみたいだ
ロマン・ロランの『ダントン』はタイトルロールが大地を語るのでマッチョイズムの範疇に留まっているが、ビューヒナーではジュリーに言わせているのは独特だろう