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タナ・フレンチ『捜索者』(北野寿美枝 訳)真相に迫りそうになると読むのを中断してじっくり時間をかけて噛み締めながら進めていった。

離婚と退職を経たアメリカ人の元警官が、アイルランドの小さな村に引っ越して一人で新生活を始めるミステリ。
家の修繕をしながら自然の中で穏やかに生活する主人公が、人との関わりを避けたいのにも関わらず、村の人間関係に巻き込まれてゆく。

自分にとって何が一番大切か、誰を守りたいか、自分の行動がどういう結果を招くのか、周囲はそれを見てどう思うか、何よりも自分がどうしたいか。
それに加えて社会的に一人前の大人に求められる様々なことがのしかかり、そのなかで最善を選び取っていかなければならない。

人生において一度失敗をした主人公はその後色んな場面で何度も迷う。不安に思うことや落ち着かない気持ちなどがありのままに、大切に書かれているように思った。

私自身、人間の心の機微や、求められていることを察する能力に欠けるので、主人公が何に失敗したのか分かっていないシーンなんかは胸が痛かった。
村人との交流は静かな隠居生活を遠ざけるけれど、人と関わることは基本的にはやはり楽しく豊かで人間的な行為なのだと思う。

hayakawa-online.co.jp/smartpho


これは読みたいな。
タナ・フレンチ『捜索者』ね。
メモメモ。


うん、これ、良いと思います :Shiropuyo_good:
ミステリといっても派手さはないんですけど、人間同士の交流とか自然の中での生活を見つめて書いているところが特に良かったです :blobcatmelt:

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