ある日の日記、抜粋。読んでいてリズムがいいなと思う。
" 十一月二十三日(水)
午後二時起床。入浴。
「青痣」、通しで読み返しつつ訂正を入れる。
短篇の推敲は刈り込むのが理想なのかもしれぬが、自分の場合は、逆に滅法加筆が多い。
だが、無駄のないシャープな文体よりかは、くどくどとねちっこくてアクの強いそれの方が、自分の良しとするスタイルなので、これはもう致し方がない。
矢鱈に消して、その数倍を書き込み、最早"清書"の態をなさぬ汚ない原稿を、夜八時過ぎになってようやく『新潮』に送る。着払いのバイク便使用。
程なくして、同誌の田畑氏より、携帯メールに採用の連絡がくる。とあれ一安心。
缶ビール一本、宝一本。宅配寿司三人前。"