NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7月〜9月

第一回、第二回を読んだ
丸善で開催中の古本市で見つけたもの。
パラパラとみたところ、(昨年のテキストなので)最近の話も扱っていたし、自分が好きな話題でもあるので買ってみることにした。
第二回の「方言ラップを聴いてみよう その(1)」まで読み、紹介されている楽曲を聴いてみたが本当に一部しかわからなくて、これだよこれこれ…というありがたみがある。
これもこのテキストで紹介されるまで知らなかった。
「かえずのながさはえずばへっで」
youtube.com/watch?v=3bVk1cYEJk

このあとの回も少しずつ読んでいきたい。

NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7〜9月

第三回から第五回を読んだ
第三回は次第に方言が失われつつある地方の方言を残す意味について
第四、五回は方言に対する意識がどのように変わってきたか… という話だった
時代は平安まで遡って源氏物語での描写を例として挙げながら、当時の特権階級からみた方言に対する意識から始まり、時代が下るにつれての各地方の言葉に対する意識や捉え方の変化を解説されていてとても興味深かった
まだ半分もいっていない
ここから現代の方言に関する話まではまだもう少しかかりそう…この先も楽しみ

NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7〜9月

第六回から第八回を読んだ
第六回は、近代化の中で東京の山の手あたりの言葉を「標準語」として定め、それを用いた教育がされてきた話から始まる、方言を取り巻く暗いお話。教育現場において方言を使った子どもたちを罰するルールがあったという話を読んで驚いた。また、そうした流れが生んだ方言コンプレックスや東京へ出てきた地方の人の方言を嘲笑する意識が悲しい事件を生んだことも知り、今の時代との大きなギャップを感じる。
しかし、社会全体での意識は次第に変わってきた…という話が、第七回の内容。
方言が持つ価値が見直され、方言に対する意識が急速に高まってきた流れをもって、第八回は「注目を集める手段としての方言」というタイトルで、小林市のシティプロモーション動画や、パッソのCM、農水省(BUZZ MAFF)の動画を事例として取り上げている。

方言撲滅運動の話はやはり暗く、方言コンプレックスが招いた事件も気が重くなるものだった。
今の時代は今の時代なりに価値観の変化が社会に求められているけれど、どんなことも「意識の変化」というものはそんなに簡単に進むわけないよな…とも思った。
残りの回はあと5つ。

NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7〜9月

第九回から第十一回を読んだ
第九回は方言が結ぶ人々の絆という題
方言が心理的な面での役割が強くなっていることがわかる話として、東日本大震災で人々を励ました、あるいは慰めた、方言による表現の話
第十回は消滅する危機が迫る言葉たちを形として残すための調査方法の紹介や、そうして形にされた方言から見える地域の人々の特徴などについて述べられていた
第十一回は「気づかない方言」
大人になって他地域の人々と会話し、今まで使っていたそれが方言だったと初めて知ることの多い言葉を取り上げていた

方言による応援については、東日本大震災に限らず、その後の各地の震災や豪雨災害等においても、Jリーグのサポーターたちが手書きの横断幕で被災地へのエールを方言を用いて書いているものを見たことがある
地域差のある表現についても、言われてみればそうだなという再発見をした
特に模造紙の呼び方に地域差があることは知らなかった…
使った時点でその人の出身地がバレる…という言葉は、結構色々ありそうで面白い

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NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7〜9月

第十二回から第十三回を読んだ
第十二回のテーマは「方言で遊ぶ若者達」。
関西方言の持つ機能は使い勝手がよく、近年のYouTube動画のテロップ等に多く用いられていること。また、他の土地の方言についても、それを用いることでそういったキャラクターとして振る舞う、一種のコスプレ的な役割を担うツールになっているという話題だった。
私は他県出身で関西在住だが、確かに関西方言は何かと便利だと感じる。YouTubeはあまり多くを視聴しないのでそういった文化の中での普及度合いはわからないが、時々耳にしたことはある気がする。
他府県の方言も、遊びとして使われる場面はよく目にするので、よくわかるなと思う話だった。
第十三回は「方言を味わう、方言で味わう」と題して、新約聖書を東北の方言や大阪弁で翻訳したものや、奥の細道を尾花沢弁に翻訳したものを取り上げ、方言ならではの印象の違いを紹介されていた。
登場人物の雰囲気や動きが、標準語で書かれたもの、古典の文章とは全く違うニュアンスになり、方言が持つ力、与える印象の奥深さを垣間見た。

NHK こころをよむ『方言と日本のこころ』
2023 7〜9月

読み終わってみて、「方言」という、各地方ならではの言語が持つ力、役割というものについて深く考えさせられる良い講座だった。

私は静岡出身だが、私が話していた言葉はあまり「静岡弁」という濃さのある言葉ではなかった。そのせいもあってか、関西弁に馴染んだ今となっては、帰省してもそう簡単に言葉が元に戻らない。
実家の会話での私の言葉は、関西弁と、標準語に近い言葉が混ざったような変な言葉になっている(はずである)。
学生時代は様々な地方から来た友人達が方言を時々使っていたので、その土地ならではの言葉や表現、単語を教えてもらう機会も多く、そのたびに羨ましい気持ちにもなっていた。
「故郷の言葉」と言えるものを持つ人が未だにちょっと羨ましくなるのは、こういう方言の魅力や役割を密かに感じていたのかもしれないな…などと思った。

今までぼんやり、なんとな〜く「方言っていいな」と感じていたところに、『こうだから』という具体性を付け加えてもらえたような感じがする。読んで良かった。

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