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アリ・スミス著 岸本佐知子訳『五月 その他の短篇』(河出書房新社)、12の月ごとの物語が連なるアリ・スミスの奇想性が色濃く出た深みのある短編集で、読むごとに季節が移り変わっていくのも相まってすごく楽しかったです。
『変愛小説集』に収録されていて印象的だった、近所の木に恋をする「五月」が好きだった人は必読。駅を歩いていたら死神とぶつかりかける、他人には見えないバグパイプの楽隊につきまとわれる、突然恋人に別の家庭があると語りだす、などの話が最高でした。ハンバーガーショップの強盗や、ネス湖のクルーズ船で空元気で働く話なども好きです。あと書店や本にまつわる話が多いのもいいんですね(『グレート・ギャッツビー』が読まれもせずあちこちの古書店を渡っていくのに笑う。ガイコツ書店員本田さん的にいろんな客がくる話も)

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