中国の原発は2022年時点で51基。それのトリチウム排出量が福島第一原発事故汚染水の最大約9倍の排出量。

となると福島第一原発事故汚染水のトリチウム年間排出量は中国の原発約5.7基分だ。

あと日経の記事で抜けているのは今のフィリピン政権はアメリカの傀儡でめったやたらに中国を挑発してるし、そこでASEANに楔を打ち込んでいることだな。

これ気になって検索したら中国の原発の中でも一基だけでも年間排水量に含まれるトリチウムの総量が福島第一原発汚染水のそれより多いというものだった。

ただやはり違和感がある。
日経の論調はトリチウムの国際監視へとすり替えているので。
福島第一原発そのものを国際機関が抜き打ち監視できるようにするのではなく、東アジア全体でのトリチウム排出監視にしたらどうかとの皮肉にしている。

世界史に残るレベルでの大事故を起こした福島第一原発。
その特殊性を鑑みれば事故対応や組織運営などに対し国際機関での抜き打ち監視が可能となる体制を構築すべしを皮肉としてもまず出るもんなんじゃなかろうか。

今までの日本の電力事業者の姿勢やその原発関係について考えれば第三者からの干渉がなければ絶対に手を抜くしやらかすだろう。
それを防ぐためにも福島第一原発そのものを近隣諸国が抜き打ち検査や監視が可能となる体制を構築すべきだと考えてる。

それとトリチウム排出しているだろう!というのは原子力利用の批判として成立しない。

原子力利用はなんらかのプラスとなる事柄があってはじめてマイナスとなる事柄を正当化できるので。
その意味で世界史に残るレベルの事故を起こした原発と正常に稼働している原発とを同じ俎上で比較するのはおかしい。

そもそも信用できない事業者とその監督行政のもとでのマイナスの押し付けを第三者が容認しないのは当然だろう。

透けて見えるのはアジア圏っていうか、中国への蔑視なんだよな。
「日本側はこんなにやってんだから受け入れろ!そうじゃないのはおかしい!」ってな感じの。

第三者としてIAEAを持ち出しても先日のクーリエに掲載されたニューヨーク・タイムズの記事「核の被害と植民地主義の表裏一体の関係「すべてが安全だ」と言い続けたフランスを信じるしかなかった」
でもあるように、

>2006年の報告書の正当性を訴える人たちは当初、国際原子力機関(IAEA)がその調査結果を検証したと主張した。だが、ポリネシアの議員や活動家たちは、IAEAが検証したのは報告書の方法論のみで、データの数値の正しさは検証していないことを発見した。

正当性の担保として機能し得ない。

courrier.jp/news/archives/3724

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こういったIAEAの歴史や日本政府、東電などの日本の電力事業者、監督行政の歪み、などから考えても懸念を示す相手側を「信用しないのはお前がおかしい!他のことはどうなんだ!?」と返すロジックを評価するのはそこに相手側を蔑視し敵視する無自覚な差別意識があるからだと言えるだろう。

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