リチャード2世(小田島訳)の感想
小田島雄志の訳による「リチャード2世」読了。
凋落というか零落を描いている……という風に自分は理解しました。
全体的に悲嘆の色が濃いと感じました。
ヘンリー4世との対比はあまり感じなかった。
王権神授説を背景とするリチャード2世とマキャベリストとしてのヘンリー4世の対比といった(事前に読んでいた)評は現時点においてはまだピンと来ていません。
これは、続くヘンリー4世第1部及び第2部を読む事によってリチャード2世の性質がよりハッキリと理解されるようになるという話であるのかもしれませんが。
小田島訳は……平易ではあるが平易すぎるのではといった感じが少ししました。
こういう感想が出てきたのは、福田訳の格調高さ(?)のようなものに慣れていたせいもあったのかもしれません。
福田訳の方が自分の好みに近そうな気はします。
もし翻訳が旧仮名遣いではなかったならば、福田氏の方を読んでいた(そして今後は読む)かもしれません。