この《オズの魔法使い》でわりと好きなのはゲイエレット姫なんですけど、どうしても「誰それ?」となりがちでちょっと残念
ゲイエレットは作中世界の北方、ギリキンの国に住んでいた賢く美しい姫君で、強い魔力を持っていた存在。
言及している人を見ないのが意外なくらいその重要度は高い。幾度となくドロシーを助けた黄金の帽子……それはもと、ゲイエレット姫の結婚相手であるクェララのために作られた帽子だったから。
ゲイエレット姫は誰からも愛されていながら、彼女自身が心から愛せる者を見つけられず、悲しく思う。
そこである日、人間クェララをルビーの宮殿に召し上げて、ありったけの魔法を彼にかけた。おかげで国中の誰より知恵があり、温厚な人柄で、容姿もすぐれた者として成長した彼を姫は深く愛する。
クェララが翼の生えたサル達にからかわれたと知ったとき、彼女が露わにした苛烈な怒り、それは他ならぬ自分が手塩にかけた「作品のような存在」を汚された憤り。
サル達は帽子の持ち主への隷属を命じられ、もう視界にも入れたくないとすら言われる。
彼女は魔法の力を人助けにしか使わないほど善良だったが、己の誇りを傷つける真似は絶対に許さなかったとみえる。
何らかの「激しさ」を持っているキャラが特に好きです(別にそうじゃないキャラも好きです)