BT
「今月の出版界の話題は、何と言っても、ジャーナリズム・評論・書評を三本柱に据える雑誌『#地平 』創刊号(2024年7月号)の登場であろう。
ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が新潮文庫版で出ることも評判にはなっているが、
『地平』編集人・発行人の熊谷伸一郎氏の勇気の前に霞む。
#地平社 は、『地平』の前に、
内田聖子著『デジタル・デモクラシー』、
南彰著『絶望からの新聞論』、
東海林智著『ルポ 低賃金』、
長井暁著『NHKは誰のものか』、
島薗進・井原聰・海渡雄一・坂本雅子・天笠啓祐著『経済安保が社会を壊す』、
三宅芳夫著『世界史の中の戦後思想』
の6点を同時刊行し、さらに
アーティフ・アブー・サイフ著、中野真紀子訳『ガザ日記――ジェノサイドの記録』を加える念の入れようである」
「筆者が興味深く読んだのは、
酒井隆史氏「〝過激な中道〟に抗して」、
吉田千亜氏「言葉と原発(上)」、
尾崎孝史氏「ウクライナ通信 ドンバスの風に吹かれて 第1回 ウクライナ報道の現在地」、
小林美穂子氏「桐生市事件」、
樫田秀樹氏「会社をどう罰するか 第1回 ネクスコ中日本 笹子トンネル天井板崩落事故」
だった。編集長の人脈の広さを示すが、論壇の動向紹介や地に足の着いたルポなどは大変読み応えがある」 [参照]