アカデミー賞2024がバックラッシュすぎて怖い
今年は例年と違い、俳優部門は5人のプレゼンターがそれぞれにノミネート俳優を紹介する形式だった。
興行としてのアカデミー賞は視聴率低下に悩んでおり、プレゼンターが増えれば出演するセレブが増えて視聴率も上がるという単純な期待だったのかもしれないが、これが最悪な効果をもたらしてしまった。白人がいかにナチュラルにアジア人を軽視するのか、映画界最大級の祭典で露骨に表れてしまったのだ。
本来なら昨年旋風を巻き起こしたエブエブのアジア系俳優が、著名な白人俳優にトロフィーを渡す象徴的な場面になるはずだった。ところが受賞者が本当にナチュラルに、トロフィーを持っているアジア系を無視/軽視して顔なじみの白人とキャッキャするのである。ああ、去年の受賞は本当に大変なことだったのだと実感する。こんなの実感したくなかったよ。
アカデミー賞2024がバックラッシュすぎて怖い
去年だって『ナートゥ』の受賞に対する会場の反応がわりと冷ややかだったり、ハリウッドでの性加害を描いた『シーセッド』やハリウッドにおける黒人排除の歴史を扱った『ノープ』が完全に無視されたりと、もちろん問題点はたくさんあった。
それでもインド映画から初めて『ナートゥ』が楽曲賞を取ったし、映画界でのセクハラにより活動を休止していたブレンダン・フレイザーが復活したし、エブエブのアジア旋風が巻き起こった。新しい時代を感じさせてくれた。
それが本当にさ、今年はなんなんだよお前ら。未だに堂々とアジア系を差別して、パレスチナを無視して、バーベンハイマーをネタにして、だっせーわ。ふざけんなよ。