ダウンタウンとジャニーズ事務所(差別表現を含む文書)
私がジャニー喜多川の性加害について、都市伝説のようなものとして最初に知ったのはダウンタウンの番組だ。
30年ほど前、彼らが音楽番組をやっていた時期だと思う。ジャニーズ所属のタレントが出演した際「ジャニタレはみんなジャニーさんに掘られてる」のような"ネタ"を頻繁に聞いた記憶がある。ジャニーズのタレントたちは笑って「またまた~!」みたいなリアクションをとり、会場は笑っていた。一種の定番ネタといえる"ギャグ"だった。
子どもだった私はそれを、みんな知ってるけど言っちゃいけないことをぶっちゃけるギャグと認識していたし、社会もそのようなものとして受け入れいていたと思う。そして、番組で大っぴらに話すくらいだから、当事者が笑っているんだから、「言っちゃいけないこと」はただの噂なんだと漠然と思っていた。
でももっと言えば、児童性虐待が事実かどうかにあまり興味がなかった。それを追求するのは、今で言えば"ネタにマジレス"的な行為だという空気があり、事実であるかどうかがとてつもなく重要だという認識を私は持っていなかった。会場で笑っていた人たちも、放送した人たちもそうだろう。
今にして思えばすさまじいレイプカルチャーであり、このような社会のあり方も事件を透明化してきたと思う。