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いのちの手紙―障害者虐待はどう裁かれたか
otsukishoten.co.jp/book/b53172
サン・グループ事件について書かれたこの本は本当に名著なので読まれてほしい。でも今は入手が難しいのかな。

サングループ事件は肩パット工場で10年にわたり虐待が繰り返されていた事件。
「一生面倒を見てやる」と知的障害者を積極的に雇用し、住み込みで長時間働かせていた。日常的に暴力・暴言を浴びせ、通帳を取り上げて給料はほとんど支払わず、年金は社長が遊興費に使い込む経済的な虐待もあった。
また精神疾患のある患者から薬を取り上げ、激やせした職員は短期間で死亡している。
一方、当該企業は障害者福祉に積極的な企業として地域で名を挙げ、職員の多くは支援施設や職安からの紹介で就職に至っている。
休暇の際に工場で受けている虐待を家族に訴える人もいたが、他に行き場が無いから頑張りなさいと親に諭されて逃げ出すことができなかった。
職員たちは懸命に文面を考え、県や国に救出を求める手紙を出していたが、いずれも無視された。
このような流れを受けてサングループと県、国への倍書を求めた裁判は、知的障害者の証言に信ぴょう性があることを認めさせる画期的なものだった。

同じ時期に水戸でも同様の事件が発覚。こちらは女性職員への性虐待も繰り返されていたが、訴えはほとんど認められなかった。

サングループ事件の判決が出たのはちょうど2003年。北海道のケースで分かるように、20年たった今も同様の事件が起きている。それは単に"悪い経営者がいる"という個別の問題ではないからだ。

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