デマ:スペインで動物との結婚が合法に?
標題の陰謀論が世界に広がっています。しかもLGBTQに結びつけて右派の攻撃に使われたり、面白ネタとして拡散されたりしています。
日本でもそのようなツイートを見かけました。
経緯:
1. 連立与党が新動物福祉法を提出した。
2. スペインのニュースサイトが「新法では自宅でネズミを駆除すれば禁錮刑に! しかも動物への加害でなければ動物との結婚が可能に!」と書いた。
3. 右派テレビが、本件について右派政党の政治家に尋ねる。政治家は「セックスに同意が必要とか言ってたけどどうやってニワトリの同意を取るんだ」と笑いのネタにする。
4. Youtuber記者が、連立与党を構成するポデモス党のイオネ・ベラーラ党首に本件について尋ねる。爆笑と共に事実無根と回答される「インコやハムスターを禁止するとか、動物との結婚とか、完全に虚偽です」
5. しかし、ポーランドの政治家がTwitterで「左派は21世紀の疫病だ。子供に性別を変えることを許可し、今度は動物の結婚を許す」と発言する。
6. 尾ひれがつきつつ、世界中にデマが広がる。各地で検証記事が掲載される。←今ここ
あちこち読みましたが、スペイン発の以下が一番詳しかった英語記事です。
https://www.theolivepress.es/spain-news/2023/02/22/minister-in-spain-laughs-off-accusations-that-government-is-legalising-bestiality/
デマ:スペインで動物との結婚が合法に(続)
ご存じの方も多いと思いますが、スペインは
2022年5月に性的同意を重視する法律を制定しました。
https://www.bbc.com/japanese/61603726
2023年2月に「16歳以上が法律上の性別変更の手続きをする際に診断書を不要とする」法案を可決しました。
https://www.bbc.com/japanese/64673086
本件はおそらく、スペイン国内で左派与党政権に対する反発とイジリとして発生したものです。
それがポーランドや日本やインドほか世界各地で多様性、LGBTQ、セックスやジェンダーについての自由や主体性を攻撃する材料に使われています。西洋への反感を利用しているわけです。