その2階だての店と駐車場のうしろには車通りのある街道がよこたわる。いきおいで走ってよこぎるのはあぶない。それで右ての駐車場のすみからも上がれる歩道橋へまわった。街道の向こうから学校に通う生徒のためのものだ。
橋のうえに出て見下ろすと車はまるっきり通っていない。むこうには街道から斜めに水路がのびて農地のなかへ入っていく。それにそって歩道が1ぽんみちにつづいている。ぼくはそこへ下りていく階段をえらんだ。水路と歩道をへだてた植こみに花がさいていた。したに下りてみると、歩道橋にあがるときにはほかにもいた生徒がいなくなって、いまはぼくひとりだと気づいた。たぶんほかの階段を下りていったんだな。ここは街道よりもいちだん低い。
その歩道を走って農地を突っきると、土地はさらに低くなり海へ出た。学校からこのくらいだとすぐ追いつかれちゃうな、、どうしょ。と海をのぞくと白くあわを立てて波だっているもののそこまでは荒れてないようだ。思い切って北へわたることにする。
もっとながくかかると見込んでいたのに北がわの陸はもう見えてきた。これじゃこっちにまで連れもどしにきそうだ。でも水にぬれないようにとんですこし疲れたから休も。学校のひとは来たらそのときに考えりゃいいや。それで上陸したばしょのひだりにあったデパートふうの建ものにむかった。
ふるびた外観の3階だての建ものは奥にむかってのびて立つ。せまい手まえにあいたそっけない入口からなかにはいると通路がまっくらだ。もぬけのからの空きビルにはいったかもと立ち止まる。目がなれてくると、両がわにかべで区切られ、それぞれにとびらのついた店舗スペースがならんで営業しているところもあるのが見えてきてほっとした。というゆめをみた。