「風間さん」
「何だい！」
「うわっびっくりした……何ですか急にそんな大声で」
「君が呼んだから元気良く返事をしたんじゃないか」
「元気は良くなくてよかったんですけれど」
「……何だい」
「急に露骨にテンション下げるじゃないですか」
「元気は良くなくていいって言われたからね」
「テンション下げろって意味ではなかったんですけれど」
「何だい」
「あっそれくらいです、いい感じです」
「何だい……！」
「何でちょっとテンション上げたんですか」
「微調整をね」
「さっきいい感じって言ったのに何故調整を」
「このタイミングで究極の返事のテンションを突き止めておこうと思ってね」
「はあ……いや違うんですよ、あのですね、風間さん」
「何だい！」
「うるさい！」
「……何だい」
「さっきのくだりもう一回やる気ですか？」
「こうやって人間の時間は無為に潰されていくんだね」
「あなたに潰されているんですよ」