ある閉ざされた雪の山荘で(舞台版)褒めたりほめなかったり
小説は未読ではあるものの先に映画を観ていて諸々設定は把握済み。映画だと現代に翻案されているのが舞台では原作小説どおり1990年代前半だったそうで、なるほど時代が変わるとそこを変えることになるのか〜と言う映画との比較がなかなか楽しかったです。
特殊な設計の建物が舞台のミステリってわりと王道だし、舞台はきっとそこを活かしたかったんだろうな。映画の設定だと建物は別に特殊じゃなくても大丈夫なので…。
と言いつつ、建物を除けばわざわざ1990年代前半のままに据え置いた意味があんまりわからないなあという印象でした。先にご覧になった方もおっしゃってましたが、1990年代ぽさがあんまり感じられないと言うか…30年前っぽさとは?と言う話ですけど、服装や髪型が古いわけでもなく、発言に古さがあるわけでもない。後半の会話でディスコって単語が出てきてお立ち台の話題が出る以外に90年代ぽさはなかった(強いて言えば貴子のスカートが短かったのと温子のパンツがややベルボトム気味だったくらい?)し、前知識なしだと90年代の話だってわからないかも。
ある閉ざされた雪の山荘で(舞台版)褒めたりほめなかったり
ストーリーについてはあやなさんも現実的に考えると誰一人共感できないっておっしゃってましたが、まさかあそこまで酷いとは思ってなかったです。
映画版だと温子はかなりイヤな女で、女優同士も上下関係があってかなりギスってるんですけど、舞台だと温子はわりと面倒見がいいし全然悪い人じゃないので、終盤の意趣返しの悪質さがそこまでに描かれていた人物像と全然つながらなかった。
あさみの人物像についても「演技に真剣に打ち込んでいるし役者としても優れている、それゆえに演技以外の要素で自分がキャスティングから外されたことに納得がいかなかった」っていう、演劇ガチ勢なのかと思いきや「雨宮くんが好きだからオーディションで彼が選んだ役の恋人役をやってみたかった」って言う唐突な恋愛脳が入ってきて、動機とか種明かしとか以前に一人の人間としての一貫性みたいなものが感じられなくて、もうほんとにポカーンて感じでした。
映画版はまだ「いや〜理解不能だけどこういう人もいるかもな」て感じだったキャラだったんだけどな…
動機に恋愛を絡めるならもうちょっとそのへん小出しにしといてもろて…
ある閉ざされた雪の山荘で(舞台版)褒めたりほめなかったり
セットは楽しかったです!Xで見かけてなるほどなあと思ったのが「本のページみたいにめくると場面が変わるセット」という表現。2階建の上下をうまく活かしてるなあと思いました。
役者さんはあやなさん以外全然知らない人たちばかりで、何も調べずに行ったので印象に残った方について素直な感想を書きます!
久我役の方、カテコの場慣れっぷりがすごかった。小劇場系で座長しょっちゅうやってるような人なのかなと思ったりもしたんですけど、それにしちゃ滑舌がそんなに良くないし変なところで噛むし、妙な感じでした。帰宅後経歴を調べて納得。
貴子役の方〜この人はギャグ要員なのかなと途中まで思ってました。なんかあの、温子が死んだことになった直後の「うふふ」とか、全体的にものっすごい……演技が下手で………ごめんなさい…一人浮いてるなってレベルで…
本田役の方、この人もなんか不思議だったな…相性が悪かったのか、ガチで何言ってるのか全くわからない箇所がいくつかありました。あとこの人めっちゃ猫背だったな。なんか格闘技とかやってる人っぽい立ち姿だなあと思いました。