傷つきからの連想。『デオナール アジア最大最古のごみ山 くず拾いたちの愛と哀しみの物語』という本をぜひ読んでほしいのだけど、本当に信じ難いけど現実の出来事が書いてあって「虐待」とか「トラウマ」という言葉を使うことができなくなるほどいりくんだ描写がたくさんあって、もうなんともいえない気持ちになる。読み進めていくと物語の軸となる18歳になった女の子の笑顔の写真が出てくるのだけどもう本当にどうしようもない気持ちになって泣いてしまった。この状況でこんな笑顔でしかも我が子をかわいいと言える。最初から「ああ、この状況で人を慈しめる子なんだな」と思える描写があるのだけど最後までそうで、それがなんだかとても悲しくて自分のことが嫌になってしまった。でも私たちが日々聞いているのはこういう話のはずで「それは暴力です」「それは虐待です」というのも言われるほうの痛みが伝わってくるからものすごく痛い。そういったところですぐに救いがあるわけでもないし希望を持てば恐ろしく不安になるでしょう。無力になれる余裕があるのはこっちだけ。この本の著者の筆致はものすごく冷静。勝手に心揺さぶられて彼らの心が動く余地を奪わないための慎重さだと思った。字数足りない。読んでみてください。