本陣殺人事件の動機(ネタバレ)
本陣殺人事件の犯人の動機、雑にまとめると『処女厨』なんだけど、その背景として最初からず〜〜〜っとこの、タイトルにもなっている田舎の「封建的なイエ」を丹念に描写しており、そこで雁字搦めになってる「極端で激しい性質を持った神経質でプライドの高い家長」が「客が少しでも触った火鉢は消毒させた」ように、「一度でも他の男の手に抱かれて他の男の体液が体に入った女のことを汚らわしく思って勝手に憎悪して殺した」というのにもむちゃくちゃ説得力があってすごかった。
せっかく一度はねじ伏せたのに、結婚を反対していた身内どもに『敗北』するのも文字通り死ぬほど嫌だったんだもんな……。迫力があるよ……。
「現代の価値観では受け入れられない動機」というより、むしろ今のほうが受け入れられる部分のある繊細さだなあとか思った。
まあカスであることに変わりはないんですが………なんか考えさせられちゃった…。
モチーフとして犯行を邪魔する『足跡のない真っ白な雪』の扱い方とかもね…この動機でこれなのがすごかったな…。絶対売れるだろうなこんなの……面白かった……。
本陣殺人事件と陰摩羅鬼の瑕
京極夏彦の『陰摩羅鬼の瑕』に横溝正史が登場したのわりと「???」だったんだけど、『本陣殺人事件』を読んだことで陰摩羅鬼の瑕がめちゃくちゃめちゃくちゃ本陣殺人事件のオマージュだったことがようやくわかったので超時間差で「あ〜〜〜!!!」てなってる。
あからさまでわかりやすい部分もあるけど、動機に至る背景の細かいところまで被せてあってテクい〜〜〜!!!きっとまだ自分には読みきれてないような部分もあるんだろうな…。読書って面白いな……。
#読書
こんなん間違いなく売れるって………