うっかり浮かんだ彼女は気付かないの二人の小話
アポロ?と首を傾げたのでスーパーに連れてきた。
「これよ!」
そう差し出したお菓子にロックマンはへぇと言いながら箱を開けて一つ取り出し、口に放りこむ。
「おいしいね」
「でしょ?」
ロックマンにおいしい物を教えられたので、つい自慢げになってしまった。
「はい」
「へ?」
奴が摘んだアポロは私の口の中へと放りこまれる。そういえば久しぶりに食べる。
「昔、憧れたのよね。いつも一つずつ食べてたけど、一気にたくさん食べてみたくて」
「ふ〜ん」
大して興味なさそうな相槌に、やっぱり金持ちのお坊ちゃんには理解できないかとムカつく。しかし伸びてきた手は私の下顎を掴み、口を開かせ、そこにアポロを箱から直で入れてくる。
「どう?」
「っ、……、なんでアンタがやるのよっ!自分で食べたいのにっ」
「もう空だから、追加で買ってくるけど」
結局四角い箱のではなく、長い筒のようなパッケージにたくさん入ったアポロを二つ買ってくれて、どちらが一気に食べれるか勝負してしまった。