これや
“しかし、人の一生は短いものだ。生涯にわたって権利を主張できる土地の広さは知れている。そこで、人類は死者を利用することを考えついた。この土地は父からゆずりうけたもの、先祖代々の土地であると宣言することによって、その所有権を子孫へと継承していくのである。墓はそのために建てられた。人々が先祖を崇拝し、家系図を大事にするのは、先祖を引き合いに出して土地の権利を守れるからである。狩猟採集民や遊牧民の社会には墓を作らない文化が多い。ピグミーもブッシュマンも死体を埋葬するが、墓というものは作らない。モンゴルの遊牧民は鳥葬で、死体を鳥に食わせて埋葬すらしない。”