『マダム・ウェブ』観ました。 事前に唯一目に入っていた評価が「全米で酷評の嵐!」だったので、期待がやや下がりぎみでしたが、おもしれえじゃん! というかそれもよく思い返すと「女性メインの映画はつまらない作品ばかり」とかほざいて(さえぼう先生に痛烈な皮肉をぶつけられて)いた女性蔑視の抜け作野郎の発言だったし、自らの不明を恥じいるばかりです。全米で酷評の嵐なのかも確かめていないし、そもそも全米の評価を気にして映画観てどうするんだって話だし、反省しています。
肝心の映画のほうですが、第二幕の折り返しまで、緊密で上質なスリラーをやっていたので唸りました。ホラー演出もしっかりしている。全体に不安定な画角も不安を駆り立てて良かったです。いちばん痺れたのはやはり、地下鉄のホームで電車の車窓越しに主人公(キャシー)とヴィラン(エゼキエル)がお互いを認識するシーンですね。スリラー映画のいちばん良い瞬間ですよ。震えました。
ヴィランが雑魚すぎるのとか、ヴィラン側の女性ハッカーが本筋に絡んで来なかったのはやや肩透かしの感がありましたが、エゼキエルを魅力的に描くこと自体を避ける、という判断な気もします。後者は制作の都合で脚本がカットされたんじゃないかという印象もありますね。