『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観ました。
龍賀一族、一族の並ぶ広間の奥に墨絵で描かれた龍、湖の中心に浮かぶ島に封印された何か、その咆哮――と続けられたので、「ドク… ドク… ドクン……ッ!」とSEが鳴りましたがべつにドラゴンではなかったです。(ネタバレ)
映画はちょっとヌルいところやフニャフニャしたところ、首を傾げる部分はあったものの、総じて面白く観ました。鑑賞を終えて振り返ってみると、そのヌルさやフニャフニャさも、限られたリソースをきっちり振り分けるべきところに振り分けたゆえ、という感じもしています。
むろんバチバチに決まったのが全編続けばそれに越したことはないわけですが、それが出来ないリソース不足を生み出した原因こそ、この映画がはっきりと指差して糾弾した日本社会の体質でもあるのだから、はからずも鋭い批評となっているのかも、などと思いました。
こんな映画の作り手がのびのびと才能を発揮できない社会の貧しさよ……。